シート防水工法とは
シート防水工法とは、屋上や陸屋根に専用の防水シートを貼る屋上防水の工法です。施工後のメンテナンスも不要ですし、高い防水効果を長期間にわたって保つことができます。大手ハウスメーカーの建物には、シート防水が施工されています。
シート防水の種類と比較
シート防水工事で使う防水シ-トには、主に塩化ビニールシートやゴムシートが用いられます。シート防水工法は、優れた耐久性をもち、長期間にわたって高い防水効果を維持できるため、コストパフォーマンスの高い防水方法ですが、防水シート同士の重なり部分の施工には、高い技術力と経験が必要なので難易度の高い防水工法です。
塩化ビニール防水
塩化ビニールシート防水の特徴
塩化ビニールシート防水の特徴は、優れた耐久性と総合的なコストパフォーマンスです。塩化ビニールシート工法は仕上がりがとても美しく、ゴムシート防水に比べ耐久性も高いので、長期間にわたり防水工事を施工した時と同じ状態を保つことができます。防水シートのジョイント部分は、薬品・もしくは熱で溶かし一体化させる処理を行うので、長期間優れた耐久性を保ちます。
- コストパフォーマンスが高い
- 定期的なメンテナンスが必要ない
- 耐久性が高く、美しい
塩化ビニールシート防水の注意点とは
塩ビシート防水工事はとても難易度が高く、防水専門の業者でも施工できる業者が少ないのが現状です。
ほとんどの塗装業者やリフォーム会社は、シート防水を取り扱ったことがないことが多く、ほぼシート防水の提案ができません。弊社でも、依頼をいただいて点検に伺ったらシート防水ではなく、ただの防草シートを貼っただけというの悪徳工事の事例もありました。
大手ハウスメーカーの戸建ては更に注意が必要です!
特にヘーベルハウスやセキスイハウス、ダイワハウスといった大手ハウスメーカーの建物は特殊で、ただでさえシート防水の技術者が少ない上に、大手ハウスメーカーのシート防水工事の施工経験者となると施工できる防水業者は非常に限られてきます。
有吉シート防水は、旭化成ヘーベルハウスの指定工事店として長年の実績があります。費用の安さだけを優先して業者を選んでしまうことがないように、まずはお気軽に点検・見積りのご相談下さい。
塩ビシート防水の工法
密着工法
塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを接着剤で貼り合わせる工法です。施工する下地が平らでない場合には施工ができない場合があります。下地を撤去する必要ないので、改修工事などに適した工法です。塩化ビニールシートは強度がありますので歩行する程度の用途に適用可能です。工期は比較的短く仕上がります。経年劣化により密着工法での施工後に接着剤が剥がれることがあります。また、塩化ビニールシートには通気性がありませんので下地の影響を受ける工法です。
脱気工法
脱気工法とは、施工面の下地となるコンクリートが含有する水分の影響によりシート防水層にしわやふくれ等の発生が予想される場合に適しています。主に、寒冷地や谷地などで乾燥が不十分な下地や、デッキプレート型枠コンクリート下地、断熱材打込み下地、改修工事におけるコンクリート保護層下地などで脱気工法が採用されます。
通気性のテープやシートを使用して、施工面の下地に含まれる水分を、筒状の脱気装置を設置したり開口部を設けたりすることで水蒸気を逃がすことで、シート防水のシワや膨れの発生を防止する工法です。
機械式固定法
塩ビシート防水の優れた工法として知られています。入隅のコーナー部分や防水端末にシート鋼板を固定して塩化ビニールシートを接合する工法です。建物の構造を支える骨組に塩ビシートを接合しませんので、亀裂・振動等の影響を受けることはほとんどありません。また、下地を撤去する必要がないので調整の必要もなく、改修工事に適しています。塩ビシートを溶着剤または熱にて接合するため、長い期間安定しています。絶縁工法のため水蒸気が分散し、部分的な膨れが生じることもありません。
ゴムシート防水
ゴムシート防水の特徴
ゴムシート防水は、専用のゴムシートを接着材を用いて下地に固定する工法になります。使用するゴムシート材は単価が安く軽量で、ゴムなので柔軟性があるので地震に強く日本の地域に適した工法です。
ゴムシート防水の注意点
ゴムシート防水工事を取り扱ったことのある業者が少なく、技術と経験のある職人が少ないため、塩ビシート以上に施工の実績を重視する必要があります。ゴムシート防水の密着工法は接着剤が経年劣化しやすい。また、職人の技術力によって質の仕上がりに違いが生じやすい工法でもあります。塩ビシート同様に、複雑な形状の建物には向かない。
ゴムシート防水の工法
密着工法
ゴムシート工法の施工方法は、密着工法のみとなります。 塩ビシートと同様に工期が短く低価格ですが、複雑な箇所への施工は難しい場合があります。また、経年劣化により施工後に接着剤が剥がれることがあります。